「骨(フニ)は魂(マブイ)と同じ」 遺骨返還訴訟で講座 兵庫沖縄県人会 


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沖縄県人会兵庫県本部のウチナーグチ入門講座

 沖縄県人会兵庫県本部はこのほど、故郷の言葉を楽しみながら勉強しようとウチナーグチ入門講座を開催した。年に数回、開催している。コロナ禍で見合わされており、2年ぶりの開催に24人が参加した。

 ゲストに龍谷大学の松島泰勝教授を迎えた。松島教授は、戦前、今帰仁村の百按司墓から京都帝大(当時)の教授が持ち出した遺骨の返還を京都大学に求めた琉球人遺骨返還訴訟の原告団長。当日は「なぜ京都大学は琉球人遺骨を島の墓に返還しないのか」と題し、裁判を起こすに至ったいきさつや裁判の経過などを語った。

 松島教授は「骨(フニ)は、ウチナーンチュにとって大切なもので、魂(マブイ)と同じ。島言葉を継承していこうという運動は、遺骨の返還にも通じる」と強調した。

 後半は、県人会員の高江洲勉さんが講師になり、ウチナーグチのあいさつ言葉の練習や、野菜、果物、料理の名前などを当てるクイズを行い、会場からは笑いも起こっていた。

 講座の前には、沖縄県人会兵庫県本部ともつながりの深かった前衆院議員の故照屋寛徳さんの冥福を祈って参加者全員で黙とうをささげた。

(永峰眞名通信員)