「普天間飛行場を国連の基地に」米研究所の副所長、98年に米国防総省へ提言


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オンライン講演する米戦略国際問題研究所のマイケル・グリーン上級副所長(読売新聞オンラインの中継動画より)

 米シンクタンクの戦略国際問題研究所(CSIS)のマイケル・グリーン上級副所長は10日、米軍普天間飛行場について、自衛隊の指揮下で国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の基地へ転換する案を1998年ごろ、米国防総省に提言していたことを明らかにした。

 読売新聞社が那覇市内で開いた沖縄復帰50周年シンポジウムでの発言。グリーン氏は米国からオンラインで登壇した。グリーン氏によると、提言は個人的なアイデアで、米政府は拒否したという。

 グリーン氏は国連機関への転換で航空機運用の人道作戦に集中するほか、ヘリの分散・緊急時の増派受け入れなどを実施する案だったと説明した。「人道支援の拠点としてできていれば、2004年のインド洋大津波などに対応できていただろう」と述べた。普天間飛行場については「現実的に県外移転は不可能と考えるべきだ」とする一方で、「運用面で騒音軽減や危険除去は可能で、米軍や日米両政府も模索すべきだ」と語った。
 (塚崎昇平)