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パートナーへのイライラの原因は?みんなが幸せな社会になるために<伊是名夏子 100センチの視界から>122


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
両親の金婚式のお祝い。娘、孫、婿の全員がそろったのは初めてでした。

 両親が二年半ぶりに上京し、両親の金婚式のお祝いをしました。50年も連れ添うなんて今の私には想像もつきませんが、きっといろいろあったことでしょう。

 私もパートナーシップに悩み中。パートナーが私に何度も同じことを聞くことにイライラしてしまうのです。ごみ袋のストックの置き場、トイレットペーパーの種類、粗大ごみの捨て方。こんな小さいことにイライラするのは心が狭いと思われるかもしれません。しかし一滴一滴の積もり積もったもののストレスは結構大きいのです。そして覚えてくれないことは、自分が軽く扱われている、尊重されていない気がしてくるのです。

 「彼は困らないから覚えないのであって、困るまで放っておけばいい」とまわりからアドバイスされることもあります。しかしごみ袋がないのも、トイレットペーパーがないのも、粗大ごみが家にあるのも、困るのは私で、イライラするのも私なのです。自分の怒りを抑えるために、どうしたらいいかと悩み「聞かれるとイライラするから、聞く前に一言『何度も聞いて悪いのだけど』と付け加えてから聞いて」と提案してみました。聞かれることに変わりはないのでイライラしてしまうとは思うのですが、気遣われているという前提があると、少しだけ怒りも収まるかもしれません。しばらく様子を見てみます。

 しかし先日、びっくりしたいいこともありました。私がオンライン会議に間に合わなそうになり、彼に「パソコンを私の部屋に移動させていて」とお願いすると、移動させただけなく、立ち上げ、ログインまでし、すぐに会議ができるようになっていたのです! 自分がやり慣れていることは想像しやすく、動きやすいのですね。それなら家のことも慣れるまでどんどんやってもらうしかないと思いつつ、彼は家にいないことが多いので、あまり解決になりません。

 男性が家にいられるように、男性の働き方を変えることが必要で、私のイライラは社会構造にも問題があると気づきます。社会問題と言うことは、今の自分には子育てや家事、男女平等は関係がないと思っている方々の協力、改善でこそ解決していくのです。これを読んでいるあなたも、男女の働きやすさ、子育てのしやすさについて考えてもらい、できる改善を試みることが、いろいろな人の幸せにつながると信じています。ご協力よろしくお願いします。


 いぜな・なつこ 1982年那覇市生まれ。コラムニスト。骨形成不全症のため車いすで生活しながら2人の子育てに奮闘中。現在は神奈川県在住。