本格的な日本・琉球料理をボリビアで 那覇で2度の料理修行 金城晃アレックスさん


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沖縄調理師専門学校で調理を学ぶ金城さん

 「ボリビアで本格的な琉球料理と日本料理、そしてボリビア料理も楽しめる店を持ちたい」と話すのは、金城晃アレックスさん(26)。父がボリビア人、母方の曽祖父母が沖縄県出身の晃さんは、幼少期に曽祖母に作ってもらった卵焼きがおいしくて、その味を再現しようと作り始めたことがきっかけで料理人を目指した。

 中学卒業まではコロニアオキナワで育ち、高校卒業後は手に職をつけようと調理師の専門学校に進学した。2015年に沖縄県費留学で来沖し、松本料理学院で琉球料理を基礎から学んだ。帰国後は長所を生かせるような働き方を心がけたという。サラリーマン向けの日本食デリバリーサービスをテーマに卒業論文をまとめ、日本料理レストランに就職し、ボリビアで調理師免許を取得した。

卒業制作の「和琉折衷」メニュー

 その後、さらに腕を磨くために日本でもう一度、学びたいと考えるようになった。日本財団の奨学金制度を活用し、2020年4月に沖縄調理師専門学校へ入学、22年3月に同学校を卒業した。

 料理人を目指す上で大変だったことについて、晃さんは「料理の基本だ。包丁の握り方、研ぎ方から食材の切り方など、料理以前に身につけないといけないこと」と語る。

 専門学校の2年間を振り返って「入学と同時に新型コロナウイルスがまん延し、イメージしていたスタートとは異なる形で始まったが、授業が始まるととても充実していた。何度も壁に当たり心がくじけそうになったが、先生方やクラスメートに支えられ乗り越えて卒業することができた」と、充実した日々だったことを話す。

 6月から那覇市久米の「味と踊りの竜宮城うらしま」で働く予定。伝統的な琉球料理と日本料理を学び、ボリビアでの料理店開業に向けて沖縄での修行を続ける。
 (安里三奈美通信員)