FC琉球、3回戦進出ならず サッカー天皇杯 覇気なく前半で3失点


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琉球―大宮 後半、琉球の野田隆之介(中央)がゴール付近まで攻め込むも、シュートまで持ち込めず=1日、沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアム(小川昌宏撮影)

 前半は攻め込まれる時間帯がほとんどで覇気なく3失点を許した。

 リーグ戦のために中心選手を温存せざるを得ない面もあるが、リーグ戦出場機会の少ない選手にとってはチャンスの舞台。FW人見拓哉、DF村瀬悠介、中盤起用のヴィニシウス・ドスサントスなどフレッシュなメンバーで臨んだ。

 ただ、連係の面でまだ成熟度が低く、守備の隙を突かれて失点が立て込んだ。

 後半は交代で入った大本祐槻が左からのクロスでチャンスをつくった。チームに活性化をもたらし攻撃回数を増やした。その流れから12分、大本が相手クリアボールを捉え、目の覚めるようなミドルをゴールに突き刺し1点を返した。その後は追加点を奪えず、昨季まで琉球に所属し、この試合で2点目を決めていた武田英寿に駄目押しの4点目を決められた。

 17歳の幸喜祐心は後半途中に前線のFW起用で投入され、約20分間のトップチームデビュー戦となった。「上を目指すためにもっとやっていかいといけないと感じた。ボールに触る回数も少なかったしシュートも打てなかった」と表情は明るくなかったが、琉球期待の星は第一歩を踏み出した。
 (大城三太)


 サッカーの第102回天皇杯全日本選手権(日本サッカー協会、Jリーグ主催、共同通信社、NHK共催)は1日、各地で2回戦が行われた。県勢2チームはともに敗れ、3回戦進出はならなかった。FC琉球は沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアムで同じJ2の大宮アルディージャと対戦し1―4で敗れた。前半は主導権を握られ、開始早々に失点。その後2点を奪われ0―3で折り返した。後半は大本祐槻のミドルシュートで1点を返したが、駄目押しの4点目を決められた。県代表の沖縄SVは福岡県のベスト電器スタジアムでJ1アビスパ福岡と戦い、0―3で敗戦した。前半を0―1で折り返し、後半は2点を失った。

▽2回戦
大 宮(J2)
4―1(3―0,1―1)
琉 球(J2)

▽得点者【大】富山、武田2、菊地【琉】大本

 【評】前半で3失点と突き放された。前後半でシステムを変えて臨んだが、リーグ戦とはメンバーも多く入れ替わる中で、意図した効果を得るにはハードルが高かった感も否めない。複数のシステムをチームとして器用にこなしていけるかの検証も必要だ。

守備がはまらず

 喜名哲裕監督(琉球)の話 前半はしっかり守って、セットプレーやカウンターから点を取ろうとした。左サイドの守備がはまらず、点を取りにいかないといけなかったので、後半は4―4―2のシステムで臨んだ。リーグ戦に向け気持ちを切り替えていく。

速攻が機能した

 相馬直樹監督(大宮)の話 琉球はシステムを変えてきたが選手たちが臨機応変に対応してくれた。前半はシンプルに速く攻めるようにと伝え、それが機能した。後半は少し受け身になってしまい1点返されたが、駄目押しの4点目を取れたことは大きかった。