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自分たちらしいパートナーシップ<伊是名夏子 100センチの視界から>124


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
2010年の結婚式

 パートナーシップが常々難しいと思っている私ですが、カップルによってそのカタチはさまざまですよね。パートナーに求めるもので、甘えるのが好きな人もいれば、逆に尽くしてあげるのが好きな人も。人前では冷たい態度をとっても、ふたりきりの時は甘える人もいますよね。

 私は尽くしてもらうこと、大事にされることが大好きです。しかしパートナーは私に対しては気を利かせることが苦手で、自分から進んで家のことをしたり、私を喜ばせるサプライズをしたりしてくれません。

 自分がうれしくなるために何か方法はないかといろいろ考えた結果、ここ2年くらいやっているのが、1週間に一回、少なくとも2週間に一回は、プレゼントを買ってきてもらうということです。高いものではなく、ミニプレゼントです。一輪の花だったり、コンビニスイーツだったり、何でもいいのです。彼はプレゼントを選ぶのが苦手で、かつ私の好みとずれることが多いので、私が食べたいものをネットで見つけたらその商品のURLを彼に送ります。彼が通勤途中で買える、私が好きなものも伝えておきます。家の近くの花屋さんのミニブーケもいいですね。花は1週間で枯れるので、定期的なプレゼントにぴったりです。

 自分からプレゼントをねだるなんて楽しみが減る、ずうずうしい、わがままと思う人もいるかもしれません。でも何もしてもらわないよりは、プレゼントがもらえた方が、また私のために動いてくれたと目に見えて分かる方が、私は嬉(うれ)しいです。そのためにプレゼントのリストがお互いの役に立っています。

 誕生日はもう少し凝ったものが欲しいのですが、今年はミュージカルのチケットをお願いし、見に行きました。私の大好きなブロードウェイ「RENT」が来日したからです。主題歌のSeasons of Loveは本当に好きで、自分の結婚式では、オペラ歌手の友だちに歌ってもらいながら入場しました。

 ただひとつ付け加えたいのは、女性は尽くされたり、甘えたりするのがいい、と言っているわけではありません。自分たちらしいパートナーシップを築けることが大切だと思います。適度な距離感が大切なカップルもいるでしょうし、お出掛けは一緒にしたいと言う人もいるでしょう。全く違う人間の二人なので、誤解も、けんかもよく起こりますが、自分たちらしいパートナーシップが歩めるといいなと思います。


 いぜな・なつこ 1982年那覇市生まれ。コラムニスト。骨形成不全症のため車いすで生活しながら2人の子育てに奮闘中。現在は神奈川県在住。