ハートライフ病院、食道治療で先進認定


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 ハートライフ病院(奥島憲彦院長)は13日、食道の下部が狭くなり食べ物が胃に流れにくくなる、原因不明の食道運動機能異状「食道アカラシア」に対する新しい治療法「経口内視鏡的筋層切開術(ポエム)」で、県内で初めて先進医療認定を受けたと発表した。

認定を受けているのは13日現在、全国で同院を含み8院、民間病院では全国初。
 ポエムは胃カメラを使用する治療法で体を傷つけず痛みも少ない。消化器外科医でもある奥島院長は「ここでのポエム治療の安全性が認められたといえる」と話す。同病院では2011年9月から16人の患者にポエム治療を実施してきた。これまでは全て自己負担だったが、先進医療の認定を受けたことで一部保険が適用される。同院によると、県内でポエム治療を行っているのは同院だけという。
 食道アカラシアは毎年10万人に1人の割合で発症する。食道は伸縮性があり、通常は食物が入ると下部が広がり胃に食物を流す。だがこの病気では、下部が広がらなくなり、食道に食物がたまる。そのため嘔吐(おうと)などの症状が出るが、内視鏡では異状が見つけにくく、心因性や心臓疾患と診断されることも多いという。県内に約50人程度の潜在患者がいるとみられる。
 ポエム治療では、口から入れた胃カメラで食道の粘膜と筋肉の層(筋層)の間にトンネルを作り、筋層を内側から切開し、食道の通りをよくする。奥島院長は「体に傷をつけない根治的な治療を県内で安心して受けることができるようになり、患者の負担は軽くなるだろう」と話した。