「PFASで長期的な健康被害を懸念」米軍による基地被害、国連で訴え 琉球独立学会


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国連の先住民族の権利に関する専門家機構(EMRIP)の会合で発言するアレクシス大城さん=5日

 スイス・ジュネーブで開かれている国連の先住民族の権利に関する専門家機構(EMRIP)の会合で、琉球民族独立総合研究学会の代表として米国カリフォルニア大学サンタクルーズ校の大学院生アレクシス大城(うふぐしく)さん(26)が5日、登壇した。米軍や自衛隊による有機フッ素化合物(PFAS)による水の汚染が沖縄で深刻な問題になっていると訴えた。

 大城さんは、民意を無視した新基地建設など軍事基地に関する多くの問題の中で「特にPFASに注目してほしい」と述べた。汚染された水道水に長期間さらされ、「私たちは長期的な健康被害を心配している」と強調。日本と米軍による「二重の植民地化」の結果として、琉球の人々が深刻な健康被害にさらされていると訴えた。

 日本政府の代表は、同じ会合でアイヌを先住民族と認める一方、沖縄については「先住民族であるという認識は共有されていない」と指摘した。

 「先住民族の女性の権利と軍事基地」に関するサイドイベントもあり、同学会の親川志奈子共同代表が登壇した。親川さんは沖縄やグアムなどの米軍基地をテーマとする映画を上映し、女性たちが直面する基地被害について発表した。「女性や子どもへの性暴力があり、日米地位協定の壁によってきちんと裁くことができない現実がある。子どもたちは軍用機が時々落ちてくるような環境で、爆音の中で勉強している。新たな基地が造られれば、さらに100年間、この問題を抱えなければならないのか」と訴えた。
 (宮城隆尋、稲福政俊)