セブン沖縄出店3年 北部西海岸、激戦区に コンビニ3社、計155店増


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道を挟んで向かい合うコンビニエンスストア。狭い範囲で複数の店舗が競合する地域もある=9日、那覇市泉崎

 セブン―イレブンの沖縄出店から11日で3年となる。2024年夏までに250店を出店するとされる当初の計画からペースは衰えず、店舗数は7月1日時点で125店に上る。沖縄ファミリーマート329店、ローソン沖縄の258店と合わせると県内のコンビニ数は712店となり、3年前と比較すると155店の増加。都市部では特に密集している印象があるが、実態はどうなのか。

 琉球新報は7月1日現在の県内のコンビニ店舗数と6月1日現在の推計人口から、市町村ごとの人口10万人当たりの店舗数を算出した。

 人口当たりの店舗数が最も多い「激戦区」は恩納村で10万人当たり81・8店、次いで北谷町78・6店、名護市71・9店、本部町と大宜味村がそれぞれ66・7店となり、本島北部西海岸や観光地で競争が激しくなっていることがうかがえる。県全体では48・7店だった。全国でも類を見ないほど急激に店舗数が増加し、人口当たりの店舗数は全国平均(44・7店)を上回っている。

 本島北部西海岸で密集度が高くなっている主な要因は(1)人口が少ない(2)都市部に比べると広い土地を確保しやすいため、出店しやすい(3)観光客の需要が見込める―の3つだ。観光需要は新型コロナの影響で減少しているものの、コロナ後の回復を見据え出店が続いている。

 店舗数が最も多いのは那覇市で183店、沖縄市70店、浦添市とうるま市がそれぞれ59店と市部への出店が多いことが分かる。那覇市は人口10万人当たりの店舗数でも58・3店に上る。宜野湾市、豊見城市は密集度が低かった。

 沖縄本島内の26市町村のうち、ファミリーマートとローソンは東村を除く全市町村に店舗を構えている。セブン―イレブンは19市町村に出店している。離島の宮古島市、石垣市、久米島町、伊江村にはファミリーマートのみが進出している。

 セブンーイレブン・沖縄の久鍋研二社長は「密集度ではなく、客の深層心理を重視している。選ばれるために商品の品質、安全性を高めていく」と話した。

 沖縄ファミマは「他社との差別化に特に奇策があるわけではない。これまで通り地域に密着していく」とローカライズに磨きを掛ける。

 ローソン沖縄も「県民の嗜好(しこう)に合った商品開発を行い、オーナーさんと共に地元のお客さまに愛される店舗運営を行っていく」とした。

 (玉城江梨子)