災害名目で米軍・自衛隊の有事訓練か 玉城知事、沖縄開催は「必要」


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会談後、取材に応じる玉城デニー沖縄県知事(左)と黒岩祐治神奈川県知事=14日、神奈川県庁

 【神奈川】玉城デニー知事は14日、神奈川県庁で黒岩祐治知事と会談した。会談後、報道陣の取材に対し、米軍や自衛隊を交えた都道府県主催の大規模災害訓練、通称「ビッグレスキュー」の沖縄開催について「必要だ」との認識を示した。

 神奈川県の事例を踏まえ、在沖米軍トップの四軍調整官に提案する考えを示した。神奈川県は新型コロナウイルス感染症対策で中止した年などを除いてビッグレスキューを続けている。黒岩知事は玉城知事との会談で「災害と有事を一体で取り組む事で、実質的な防衛訓練もできる」と語った。災害対応という名目で軍民混在の訓練機会を設けながら、実態は有事を意識している点を示唆した。

 例として自衛隊が所有するホーバークラフト型の揚陸艇を挙げ「陸に上がって戦車も出てくるという訓練をするが、普通じゃできない。災害救助訓練なら皆さんの了解を得られる」と強調した。

 黒岩知事は米軍の陸海空軍が一緒に訓練をしている事に米軍司令官が驚いていた事も明かした。玉城知事は黒岩知事の話にうなずき「みんな集まって実践(訓練を)するのは本当に貴重な機会だ」と話した。

 会談後の取材に「(米軍内で)異なるマインドをすり合わせて全体計画として進めていく事は、彼ら(米軍)にとっても非常に有益な事だと直感した」と語り「神奈川では実際にこういう事をしていると話し、四軍調整官に沖縄でも必要じゃないかと話してみたい」と述べた。

(明真南斗)