手摘みで収穫、焙煎して味わう コーヒー園にカフェスペース、体験型農園に 名護市中山


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「収穫・焙煎体験もできる農家カフェ」をオープンした由居広海さん=15日、名護市中山

 【名護】名護市中山にある「中山コーヒー園」がこのほど、焙煎(ばいせん)体験もできるカフェスペースを整備した。コーヒーの実の収穫から焙煎、テイスティングまで楽しめる、世界でも珍しい体験型農園として11月末~4月の収穫時期に多くのコーヒーファンが訪れそうだ。

 中山コーヒーは2013年に岸本辰巳さん(53)らがコーヒーの栽培を開始し、現在2500本のコーヒーの木を育てている。体験型農園の整備を進めていたが、新型コロナの影響で資金不足に陥り、クラウドファンディングで協力を求めたところ目標額の300万円が集まった。

 手摘みによる収穫後、本島北部の気候に合った乾燥・発酵で精製する「ナチュラル製法」で、甘みを残しつつ深みのある味を出しているのが特徴。少量だが県外やヨーロッパにも販売しているという。

焙煎したばかりの中山コーヒーをいれる前田諭史さん=15日、名護市中山

 同園は11月末~4月に「自分で収穫し、焙煎、飲むまで体験」を実施予定。乾燥生豆の焙煎体験は年中実施している。岸本さんは「コーヒーの実を見て触り、食べてもらい、焙煎して浅いり、深いりの味の違いも楽しんでほしい」と話す。15日に那覇市からカフェを訪れた吉川フジさんは「まろやかで、とてもおいしかった。幸せだ」と満足そうな表情を見せた。

 東京都中野区などで世界44カ国のコーヒーを焙煎してその場で楽しめるカフェを展開するJIN―FBCの前田諭史代表は、焙煎方法などを中山コーヒーに助言する。前田さんは「沖縄の自然に向き合って生産しており、品質がいい」と太鼓判を押す。

 併設のハーブ園で60種類のハーブを生産しながらカフェを切り盛りする由居広海さんは「今年は豊作でたくさんのコーヒーの実がなっている。11月末からの収穫時期に県内外から多くの人に来てもらい、自分で収穫したコーヒー豆を焙煎して味わってもらえたら」と話した。

 問い合わせは由居さん(電話)080(3266)5064。
 (松堂秀樹)