ポスター、レコードジャケット…60年の活動を集大成 岸本一夫さんが作品集を発刊


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60年間の作品をまとめて発刊した岸本一夫さん(右)=那覇市泉崎の琉球新報社

 グラフィックデザイナーの岸本一夫さんがこのほど、60年間の活動の集大成となる作品集を発刊した。タイトルは「岸本一夫のめざすデザイン 1960―2020」でポスター、レコードジャケット、ロゴマークなど150点余を掲載している。

 岸本さんは87歳の現在も作品づくりに精を出している。1960年に琉球放送に入社、11年間勤め退職した。本の中で「デザイナーとしての基礎を培ってくれた」と同社への感謝の気持ちを記している。その後はフリーとなり、権威ある全国公募の日宣美展(当時)で入選したこともある。

 ポスターは、那覇大綱引き(1973年制作)、若夏国体(72―73年制作)、写真集おきなわ戦後20年(61年制作)など、一般に知られた作品も多い。また、オリオンビールのなじみ深いパッケージも75年から92年にかけて数多くデザイン、本で紹介している。

 岸本さんは「単純明快で、気軽に楽しめるような本を目指した」と狙いを説明。60年の年月については「この本をめくることで、『ああいう時代だったんだ」などと、若い人たちにも感じ取っていただけたらいい」と話した。本は県内有名書店で販売。3960円。
 (上原修)