落札業者の元社員に有罪判決 竹富町の官製談合事件 那覇地裁


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那覇地方裁判所(資料写真)

 竹富町発注の工事を巡る官製談合事件で、工事の最低制限価格の教示を受け、JFEエンジニアリングに落札させたとして、官製談合防止法違反と公競売入札妨害の罪に問われたJFE社の元社員(65)に、那覇地裁(小野裕信裁判官)は19日、懲役10月、執行猶予3年(求刑懲役10月)の判決を言い渡した。

 元社員は公判で起訴内容を認めていた。弁護側は控訴しない方針。

 判決によると、2020年5月に行われた指名競争入札に関し、当時町長だった西大舛高旬被告(74)=一審那覇地裁で有罪判決=やJFE社の別の社員らと共謀し、最低制限価格が記載された書面を受け、同社に落札させた。

 小野裁判官は判決理由で、元社員が果たした役割は他の共犯者と比べて受動的で従属的だったとしつつ「情報伝達に不可欠な窓口役を務めるなどした。関与の度合いは軽視できない」と述べた。