スケボーの楽しさ知って プロスケートボーダーの謝花さん、子どもたちに魅力伝える 「居場所づくりにも」環境整備を切望


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
県内を拠点に活動するプロスケートボーダーの謝花明徳=4日、南風原町(大城直也撮影)

 大好きなスケートボードと地道に向き合ってきた謝花明徳(36)=那覇市出身=は県内でも数少ないプロスケートボーダーだ。「練習は同じことの繰り返しで地味だが、技ができるようになった時の達成感は癖になる」と魅力を語る。東京オリンピックで正式種目として採用され、全国各地で人気が高まっている。謝花はプロ活動とは別に、イベントなどを通して子どもたちへ指導も行う。「子どもの居場所づくりになるし、楽しさを知ってほしい。そのためにも環境整備が必要」と切望する。

 謝花は2009年に国内年間ランキング4位、18年に東京の大会で優勝経験がある。自分の名前がついたボードがプロモデルとしてメーカーから発売されれば、名実ともに海外でも通用するプロと言われ、謝花もその一人だ。

 本格的にはまったのが仲井真中時代。那覇高、琉大工学部へ進んでからも、部活の代わりにスケボーにのめり込んだ。当時は練習場所と言える公共施設はなく、「団地の一角で許可をもらって時間制限で練習していた」と振り返る。場所がないゆえに街中の至る場所、路上や駐車場で許可を得ずやるグループもいるため、周囲から悪い印象を持たれることもある。

「スケボーの楽しさを知ってもらいたい」と話すプロスケートボーダーの謝花明徳=4日、南風原町(大城直也撮影)

 日本スケートパーク協会が全国の公共スケートパークを調査したところ、22年5月時点の県内施設は15カ所。全国でも多い方の部類に入る。

 謝花は14年から南風原町の臨時職員として、那覇空港自動車道南風原北インターチェンジ側の高架下にあるスケートパークの管理人を務めている。04年のオープンで、「中級、上級クラスの設定だが施設は古くなっている」と語る。料金は高校生100円、一般大人は200円。いずれも4時間コース(ナイターは100円増し)。町外からの利用者が多いという。

 「名護市や沖縄市、宜野湾市もパーク整備を打ち出しており、同じ難易度ではなく、違ったレベルのコースを造ってほしい」と要望する。

 謝花は「僕も人に教わったことはないが、転び方も大事。落ち方が悪いと大けがをすることになる」と、人の技術を見て盗む大切さも強調する。「競技人口も増えて盛り上がりを感じている。競技としてのスケボーに賛否両論もある。のんびり滑ってもいいし、競技としてもあっていいと思う」と魅力を伝え続けている。
 (大城三太)