高校生ら「核禁批准を」 外務省に署名1万超提出、沖縄からも参加「核の島拒否」


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外務省に核廃絶に向けた取り組みを求めた沖縄高校生平和ゼミナールの上原一路さん(前列右から2人目)=19日、東京

 【東京】フィールドワークや勉強会を通して戦争や平和について学ぶ「高校生平和ゼミナール」に所属する沖縄や東京などの高校生が19日、外務省を訪れ、日本政府に核兵器禁止条約の署名・批准を求める計1万3642筆の署名を提出した。沖縄から参加した沖縄高校生平和ゼミナールの上原一路(ひろ)さん(17)=糸満市=は「復帰50年がたった今も米軍基地は残り、核の脅威を日本で一番身近に感じている」と訴え、核軍縮に向けた国際社会への働きかけを求めた。

 要請は上原さんと沖縄で署名活動を行った高井楽々(ささ)さん(16)=那覇市=のほか東京や広島など各地の高校生ら41人が参加。上原さんらは沖縄で1507筆の署名を集めた。全国ではオンラインの1095筆を含め1万3642筆を集めた。

 上原さんは米統治が続いた沖縄の事情を踏まえ「戦後、沖縄には最大で1300発の核兵器が置かれていた」と指摘。「誰かの犠牲や核兵器におびえて成り立つ平和は本当の平和とはいえない。沖縄は再び核の島となることを拒否する」として政府に核兵器禁止条約の署名・批准や核兵器保有国への働きかけを求めた。

 外務省軍備管理軍縮課の仁保智紀首席事務官は「署名をしっかり受け止め核兵器のない世界を目指す取り組みを続ける」と述べるにとどまった。上原さんは要請終了後の取材で「核廃絶に向けて踏み込んだ発言がなかったのは残念。声が届くまで訴え続けていきたい」と力を込めた。
 (安里洋輔)