景気「持ち直し」維持 日銀9月は経済活動回復続く


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 日本銀行那覇支店(飯島浩太支店長)は7日、9月の県内金融経済概況(主要指数7月)を発表した。新型コロナウイルス感染拡大の影響は続くものの、観光需要やサービス消費を中心とした回復傾向は維持されているとし、県内景気は「厳しい状況にあるが、持ち直している」との判断を据え置いた。

 目先については「感染症の影響による下押し圧力を受けつつも、持ち直しが続くとみられる」とした。

 飯島支店長は7月下旬からのコロナ感染再拡大が「観光や個人消費に影響を与えている」と指摘した。一方で「ウィズコロナの下で経済活動が進展する中でそうした影響は限定的で、8月以降は客足が回復しているという(関係者の)声が聞かれる」と述べ、経済活動の持ち直しが続いているとの見解を示した。

 7月の主要ホテル稼働率は前年同月比38・7ポイント増の65・1%だった。60%台は2020年2月(69・9%)以来の水準だった。

 8月の速報値(5日現在)では60・8%と7月比で低下しているが、飯島氏は「感染者数の多い状況が続くことで予約の鈍化やキャンセルが見られたが、今年1~2月のオミクロン株拡大のような大幅な悪化には至っていない」と述べ、観光需要の堅調さを強調した。

 公共投資については、今年度の公共工事保証請負額の累計が前年度比でマイナスとなっていることから、判断は前月の「緩やかに増加している」から「高めの水準となっている」に判断を引き下げた。飯島氏は「高い水準が続いているものの、伸びが頭打ちになっている」と説明した。

 (小波津智也)