下地氏「大学まで教育無償化」 沖縄県知事選最終盤・候補者に聞く


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 11日投開票の沖縄県知事選は10日で選挙戦最終日を迎えた。立候補しているいずれも無所属の、新人で前衆院議員の下地幹郎氏(61)、新人で前宜野湾市長の佐喜真淳氏(58)=自民、公明推薦、現職の玉城デニー氏(62)=共産、立民、社民、社大、にぬふぁぶし、れいわ推薦=の3氏は、街頭演説やSNS(会員制交流サイト)などで政策やビジョンの浸透を図ってきた。下地幹郎氏にこれまでの選挙戦の手応えや、諸課題への見解、訴えなどを聞いた。(’22知事選取材班)

支持を訴える下地幹郎氏=9日、那覇市おもろまち(又吉康秀撮影)

―手応えはどうか。

 「SNS活用、自転車での街頭運動、政策を理解してもらうための資料配布の3チームが組み合わさり、いい効果が出ている。考え方や政策が浸透したと感じる。8年前は『オール沖縄』という大きな風が吹いていた。4年前は前知事の弔い合戦だった。今回は冷静な中で選挙ができる。感情ではなく、政策を論議できたのはありがたい」

―重点的に訴えている政策はどれか。

 「保育園から大学・専門学校までの教育無償化だ。全国どこにも例がない画期的なことに挑む。全ての子どもが教育を受ける機会を得るべきだ。人材が育たない県は発展しない。人、特に子どもたちに投資する」

―最大の争点は何か。

 「普天間飛行場問題だ。4年前、埋め立てさせないという言葉を信じて多くの県民が現職に投票した。実際は埋め立てが進み、説得力を失っている。私は説得力ある解決法を示してきた」

―どう解決するか。

 「鹿児島県の無人島、馬毛島への訓練移転で軟弱地盤を埋め立てさせない。施設があるのに沖縄からの移転は受け入れないとなれば、日米安保を認める人も含めて全県民が不満を持つ。全基地の撤退について話すことになる。馬毛島に県内の訓練を移せば、他の基地も返還の方向性となる。馬毛島案は沖縄全体の負担軽減につながる」

―那覇軍港移設は。

 「過去には賛成する立場だと答えてきたが、独自の新たな提案を行う立場を明確にする。県や浦添市が延ばしてきた移設実現まで待つわけにはいかない。那覇港の岸壁延長・立体活用、中城湾港の拡充・高速道路整備、那覇軍港の軍民共用化の三つに取り組むことで民間需要に対応する」

―なぜ県外でも遊説してきたか。

 「沖縄の基地問題を全国の人に考えてもらうためだ。注目される知事選の最中は沖縄をアピールする最大の機会だ」

(聞き手 明真南斗)