黒麹菌、沖縄由来を確認 バイオジェットと琉球大で研究 泡盛醸造開始以降に株分岐


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黒麹菌の遺伝子分析をした琉球大農学部の外山博英教授(左)とバイオジェットの塚原正俊代表=14日、沖縄市の琉球新報中部支社

 【中部】バイオベンチャーのバイオジェット(うるま市)の塚原正俊代表、琉球大農学部の外山博英教授らの研究グループは、泡盛の製造に欠かせない黒麹菌の遺伝子を解明した結果、黒麹菌が沖縄由来であることを確認した。「沖縄由来の黒麹菌を使った泡盛は沖縄特有の酒と言える」と強調し、黒麹菌のブランド化に期待した。

 研究結果は8月に開催された本年度の沖縄農業研究会で発表した。塚原氏らの調査によると、泡盛製造で用いられる黒麹菌の「A」と「SK」の主要2グループの株は数千年前から存在した。一方、これらの遺伝子を解析したところ、泡盛醸造が始まったとされる約600年前以降になって株の分岐が進んだ。

 塚原氏は「泡盛を作っているうちに黒麹菌の株の分岐が起き、その中から有用なものを選択することを繰り返し、効果的な株が選抜されていった」と説明した。

  (島袋良太)