大宜味エビ養殖事業「村の手続きは適正」 村議会が百条委の調査報告書案を賛成多数で可決


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国内で初めて急性肝膵臓壊死症(AHPND)の発生が確認されたバナメイエビの養殖場で、作業に当たる県や養殖場の職員ら=2020年10月、大宜味村

 【大宜味】大宜味村議会(平良嗣男議長)の9月定例会本会議は15日、バナメイエビ養殖事業を巡り業者が損害賠償を求めて村を提訴した問題について「村の手続きは適法適正だった」とする調査報告書案を賛成多数(賛成4、反対3)で可決した。村議会の調査特別委員会(百条委員会)が同報告書案をまとめ、本会議へ提出した。

 百条委の報告書案を本会議へ提出した吉浜覚委員長が自ら反対討論に立って「(報告書の内容は)議会が村民への説明責任を果たしたことにならない」と主張する異例の展開となった。

 百条委は5月、賛成多数(賛成5、反対4)で設置された。村の事業承認・取り消し処分の事務処理や住民への説明などを調査項目とし、担当課長への意見聴取などを経て百条委は報告書案を全会一致でまとめていた。

 百条委は当初、議長を除く村議9人の構成だったが、「村の対応に問題があった」との見解で設置に賛成した2人が村長選出馬のため議員辞職し、村の対応を問題視する賛成派が少数となっていた。
 (岩切美穂)