【識者談話】土地規制法、区域指定は自治体がどれだけ意見を言えるかが鍵 仲松正人弁護士


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 土地利用規制法が全面施行されれば、沖縄における市民の基地抗議活動が萎縮し、運動が分断される恐れがある。沖縄は国境離島で構成され、海上保安庁の活動拠点もあるほか、米軍基地を含む多くの軍事施設を抱える。県内では多数の区域が規制の対象に指定されると予想される。

 政府は7月から約1カ月間、基本方針案に対するパブリックコメントを募った。9月16日に公表された結果によると、2760件という多くの意見が寄せられた。だが、意見は全く採用されなかった。さらに、これらの意見への政府の見解を読んでも、規制の対象となる「機能阻害行為」がどのような場合に認定されるのかなどは明らかになっていない。市民運動への具体的な脅威が今後出てくるだろう。

 国が区域指定をする際は、地方自治体と協議すると定められている。自治体が「指定しないで」とどれだけ意見を言えるかが、一つの鍵になる。また、運動の萎縮が予想されるだろうが、負けずに正当な活動を続ける必要がある。引き続き問題点を指摘し、世論を喚起することも重要だ。