FC琉球、後半に失点、山口に0-1で敗れる チーム戦術の共通認識にずれが露呈


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FC琉球―レノファ山口 前半、得点機にヘディングシュートを外し、悔しがる琉球の大森理生=18日、沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアム(ジャン松元撮影)

 サッカー明治安田J2第37節の18日、FC琉球は沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアムでレノファ山口と対戦し、0―1で敗れた。前半は互いに一進一退の攻防を繰り広げ、無得点で折り返した。後半29分に先制されると、得点を奪い返すことができなかった。通算成績は6勝19敗12分けで勝ち点30。順位は最下位の22位のまま。

 次戦は25日、宇都宮市のカンセキスタジアムとちぎで栃木SCと対戦する。

 20位の群馬(勝ち点36点)、19位の大宮(勝ち点38)が勝ち星を積み上げる中での敗戦で、琉球は一段と厳しい状況へ追い込まれた。21位の岩手(勝ち点33)は20日に第37節が控え、大宮は1試合未消化で差が広がる可能性がある。

 最終盤に来て、チーム戦術の共通認識にほころびが見え始めている。チームは「相手陣地でプレーする」「自陣で無駄なパスはしない」などリスクを避ける戦術をとる。ただ精度の伴わないロングキックの多用で相手にブロックされるシーンが目立つ。

 足首のけがから2カ月半ぶりに復帰し、後半途中から出場した沼田圭悟は「攻撃の形がなくなっている」と危惧する。さらに「全員が判断を合わせていくことが大事」と選手間で認識にずれがあるのが現状だ。前線でのポストプレーや巧みなボールキープでためをつくれるキーマンの名前を挙げ、「阿部(拓馬)さんが抜けてしまったのでみんなで判断の精度を上げて、いい形をつくっていかないと」と危機感を示す。

 同じく後半途中出場の上原慎也は「監督から提示されていた戦術を遂行しないといけないが、中途半端になってしまっている」と自戒を込めた。
 (大城三太)


(2)タピスタ(1勝1敗)

山口 11勝10分け16敗(43)
1―0(0―0,1―0)
琉球 6勝12分け19敗(30)

▽得点者 【口】 佐藤謙(1)
▽観客 1810人

 【評】前半、CKに大森理生が頭で合わせるもGKに防がれて逸機。逆に攻められる場面が目立ち、パスで崩されたり、サイドからのクロスでゴールに迫られたりした。後半は上原慎也がダイレクトやヘディングシュートで迫ったが、得点には至らず。

最後に押し込めず

 ナチョ・フェルナンデス監督(琉球)の話 セットプレーで多くの勝ち点を失ってきているが、今日も1対1の弱さが見られて競り合いに勝てなかった。ゴールチャンスはつくることができていたが、最後に押し込めなかった。攻守で貢献度の大きかった阿部拓馬の離脱は影響が大きい。

集中切らさず守れた

 名塚善寛監督(山口)の話 前半は、もっとテンポを上げないとブロックを崩せないと伝えていたが、みんな足元へのパスになっていた。後半、セットプレーから得点できたことは大きい。選手が集中を切らさず1点を守ることができた。