流れ着いた廃材をいかだに!阿嘉島の小学生、夏休みの宿題で 住民に見守られ進水式


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
記念撮影に応じる(左から)石川生来さん、金城春樹さん、金城依良さん=座間味村阿嘉島

 【阿嘉島=座間味】阿嘉幼小中学校の児童が作ったいかだの進水式が8日、阿嘉島の海岸で行われた。学校の教諭と全児童、地域の人ら多くが見守った。

 いかだを作ったのは小学5年生の石川生来さんと金城春樹さん、金城依良さん。きっかけは夏休みの工作の宿題を何にするか悩んでいた小学5年生の石川さんが、父親に相談したこと。父親のアドバイスを受け廃材でいかだを作ることにした。海岸に流れ着いた廃材を利用することで海岸清掃につながり、ペットボトルのリサイクルにもつながると考えたという。

 石川さんは、はじめは一人で作るつもりだったが、同じように宿題の工作をどうするか迷っているクラスメートがいたため、共同で作ることにした。勉強も遊びも何かやる時はいつも一緒の1年生からのクラスメート、金城春樹さんと金城依良さんが参加した。

向かい風に翻弄されつつも必死にこぐ(右から)金城春樹さん、石川生来さん、金城依良さん=座間味村阿嘉島

 海岸で浮くものを探し出し、全校児童の家庭にお願いして廃棄するペットボトルを調達して材料にした。始めは自分たちだけで作っていたが、うまくいかず祖父からひもの結び方や浮力の調整などを習い、何とか完成することができた。

 いかだは1人乗りのため、海岸を離れた後は途中でこぎ手を交代し、目標とする沖のブイまでたどり着いた。風や波に翻弄(ほんろう)されていたが、浜で見守っていた人々の応援の声に励まされ、無事に浜に戻ってきた。3人は島の人々に拍手で迎えられ、目的を達成し満足そうな表情で浜に上がった。

 発案者の石川さんは「みんなで協力してゴールすることができて良かった」とほっとした表情を見せた。
 (村石健一通信員)