公約は「タカもハトも一丸」「自然トリ戻す」 沖縄の選挙イヤーにもう一つの熱戦 「市鳥」選にサシバ6羽が名乗り 沖縄・宮古島


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 【宮古島】知事選や市町村長選、議員選挙が終わって落ち着きだした沖縄県内だが、宮古島では島のシンボル、サシバのリーダーを選ぶ「市鳥選挙」が熱く盛り上がっている。われこそはと6羽が名乗りを上げ、10月8日の開票日まで熱戦を展開している。

秀逸なキャッチコピーが目を引く市鳥選挙候補鳥のポスター=16日、宮古島市平良の宮古島市総合博物館
宮古島市総合博物館学芸員の與那覇史香さん=16日、宮古島市平良

 「市鳥選挙」は宮古島市総合博物館学芸員の與那覇史香さんが企画した。同館で8月19日から開催している「あなたの知らないサシバの世界」展に合わせたもの。職員6人が博物館所蔵のサシバの剥製から推しの1羽を選び、選挙ポスターに仕立てた。

 ポスター前に投票箱が設置されており、来館者が1票を投票できる。與那覇さんは「宮古島市の市鳥、サシバに興味を持ってもらおうと考えた」と話す。

 候補鳥の氏名や所属政党、キャッチコピーも職員がそれぞれ考えた。「オール竜弓」が推薦する渡利みや子は「タカもハトも一丸の政治を」と強調し、「自由鳥骨党」の骨野さしばは「絶滅危機突破!」を掲げる。「伊良部維新の会」所属の森林ゆたかは「ユタカな自然をトリ戻す」と主張し、「飛びた党」の鷹森守は「未来を見据えるタしカな目」を訴える。

 サシバは毎年10月に越冬の中継地として宮古諸島に飛来する。島民に愛されてきた島のシンボルだが、近年は自然環境の変化などから飛来数が激減。宮古野鳥の会による調査を始めた1973年以来の最多は1982年の5万4千羽。だが2010年代に入ると1万羽を下回る年も増えた。

 サシバの世界展では市鳥選挙の他にも、サシバの生態や宮古の人々との関わり、保護活動の歴史などを学べる展示が数多く企画されている。與那覇さんは「保護するにはどうしたらいいか考えるきっかけになってくれたらうれしい」と語った。

 サシバ展は10月16日(午前9時~午後4時半)まで。月・祝は休館。大人300円、大学・高校200円、小中100円、土日は高校生以下無料。
 (佐野真慈)