2020年に、南風原高校から転入した沖縄県立泊高校定時制課程夜間部の金城勇史さん(18)。同部の卒業生は今回、金城さん一人だった。部活の先輩や後輩、午前部の生徒たちとの交流を楽しみながら、高校生活を堪能した。
まだ南風原高に通っていた20年、県外にいる姉が新型コロナの影響でアルバイトを続けられない状況に陥った。
仕送りが必要となり、「(親は)自分にお金をかける余裕はないはず」と感じた。那覇市への引っ越しも控えていたことから、泊高校で「新しい生活をスタートさせよう」と気持ちを新たにした。
昼にアルバイトをするため夜間部に入った。最初は全日制と違う環境に戸惑ったが、部活を通して徐々に慣れることができた。野球部、バレー部に所属し「続けるうちにできることが増える」楽しさを覚えた。
卒業式の答辞では、部員や教職員だけでなく「練習で帰りが遅い私を、疲れているはずなのに迎えにきてくれた」と母親にも感謝を伝えた。
アルバイトは、泊高校に転入して約半年後から始めた。今年の夏休みからは、アルバイト代の一部を家計に入れることも始めた。「いろんな人がサポートしてくれたおかげ」だと、笑顔で学びやを去った。
(嘉数陽)