辺野古移設は堅持 地元理解取り組み触れず 岸田首相所信表明演説


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 【東京】岸田文雄首相は3日に国会で実施した所信表明演説で、米軍普天飛行場の名護市辺野古への移設を進める考えを示した。日米同盟の強化により「抑止力と対処力を一層強化」するとした。一方で、辺野古移設の進め方について、これまで強調してきた地元住民への「丁寧な説明」「対話による信頼」には触れず、県が求める対話の実現には不安を残した。

 「基地負担軽減」に取り組むとした一方で、普天間飛行場の移設については「辺野古への移設工事を進める」と従来の方針を繰り返した。

 2021年12月の所信表明演説に続き「外交・安全保障」政策の一環として「強い沖縄経済を作る」とし、防衛政策と沖縄振興との関連を改めて印象づけた。

 「厳しい意見を聞く」姿勢を強調した一方で、21年10月、同12月の所信表明演説で「丁寧な説明」「対話による信頼」によって求めるとしていた地元理解への取り組みには言及しなかった。

 (安里洋輔)