コロナ拡大後初のプラス 9月期、観光回復 日銀短観・那覇


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 日本銀行那覇支店(飯島浩太支店長)が3日発表した9月期の県内企業短期経済観測調査(短観)は、全産業の業況判断指数(DI)がプラス12となり、前回6月調査から16ポイント改善した。新型コロナウイルス感染拡大前の2019年12月以来、11期ぶりにプラスに転じた。観光の回復や県民の外出機会の増加が各業種の景況判断を後押しした。

 3月調査から15ポイント改善した6月に続き、2期連続で大幅改善となった。12月の先行きは9月期からさらに2ポイント改善し、プラス14を見込む。年末にかけ観光客がさらに回復するとの見通しや、インバウンド(訪日外国人客)への期待がある。

 業種別では、製造業が6月調査から13ポイント改善してマイナス4だった。プラスに転じていないものの、仕入れ価格の上昇分の販売価格への転嫁や観光関連の需要増加により改善が進んだ。

 非製造業全体はプラス15と6月調査から17ポイント改善した。とりわけ観光産業を担う宿泊・飲食サービスは6月調査から41ポイントの大幅な改善でプラス5となり、変化幅が最も大きかった。

 飯島支店長は「感染抑制と経済活動の両立が進み、需要の回復基調が維持され持ち直しの動きが続いた」と説明した。資源価格の上昇や値上げによる需要減、収益悪化を懸念する声が一部であるものの「大方の企業では、需要回復のプラス効果が資源価格上昇のマイナスの影響を上回るという見方は維持されている」と語った。 (當山幸都)