沖縄県議会議長の国葬出席 市民団体「私費で参列すべきだ」、議会事務局「違法な行為ではない」 旅費の公金支出巡る監査請求で意見陳述


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安倍晋三元首相の「国葬」に赤嶺昇県議会議長が出席したことに対する住民監査請求の陳述会=3日、県庁

 沖縄県監査委員(安慶名均代表監査委員)は3日、安倍晋三元首相の「国葬」に赤嶺昇県議会議長が出席したことに伴う旅費などを公金で支出することについて、差し止めを求める住民監査請求の陳情会を県庁で開催した。費用は議長と随行職員2人分の旅費計約22万8510円。監査委員が請求人の市民団体と県議会事務局職員から意見を聞いた。今後、陳述を踏まえて監査結果を取りまとめる。

 市民団体側は、地方公共団体が公費を支出することの不当性や個人の平等や信教の自由などを侵害する憲法違反、実施における法的根拠がないなどと主張した。請求人の一人、北上田毅氏は「議長が個人的に敬意と弔意を示すために参列したのは自由だ。しかしその場合は当然私費で参列するべきだ」と述べた。

 議会事務局側は「地方自治法、費用弁償の条例にのっとり適正な取り扱いだった。違法な行為ではなく、違法な支出とはならない」と主張した。

 今回の住民監査請求は沖縄平和市民連絡会と島ぐるみ宗教者の会の市民約60人が請求人となった。
 (梅田正覚)