沖縄県病院事業局、純利益64億円 21年度決算、前年比3倍 コロナ支援費で財務好転


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沖縄県庁

 県立6病院や診療所を運営する県病院事業局(我那覇仁局長)の2021年度病院事業決算の純利益が、20年度比で42億6032万円(191.1%)増加し、20年度の約3倍となる64億9008万円になったことが6日、分かった。新型コロナウイルス対策などの補助金を含む医業外収益が49億7204万円増加したことが主な要因。累積欠損金は20年度の67億2209万円から2億3201万円まで大幅に圧縮された。

 県立病院では、離島・へき地医療や救急医療など、民間では採算が難しい分野を維持するために累積欠損金が蓄積し18年度には93億2617万円に達していた。コロナ禍における国の病床確保支援事業などで財務状況が急速に改善した格好だ。

 コロナ禍以前の19年度と比較し、入院や外来、診療所などの医業収益は約19億円減少した一方で、医業費用は約37億円増加している。

 新型コロナが本格的に収束すれば、コロナ対策などの補助金は停止するとみられており、病院事業局はアフターコロナを見据えてさらなる経営改善が必要としている。

 県議会9月定例会に提出された資料によると、21年度決算の病院事業収益は前年度比66億4842万円(10.4%)増の706億4796万円で、病院事業費用は前年度比23億8810万円(3.9%)増の641億6788万円だった。累積欠損金は前年度比64億9008万円(96.5%)減った。

 決算は県議会9月定例会の審議を経て、11月定例会で確定する。
 (嘉陽拓也)