がん1.75倍、心疾患は1.65倍…PFOS血中濃度と死亡リスク、高濃度ほど高く


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 米国疾病予防センター(CDC)が実施する疫学追跡調査で集めたデータを基に、米ハーバード大医科大学院などが分析した結果、「PFAS」と総称される有機フッ素化合物のうち「PFOS」の血中濃度が高い人ほど、死亡リスクが高いことが分かった。

 調査では、血中PFOS濃度について、1ミリリットル当たり7・9ナノグラム未満の「低グループ」(3886人)、7・9ナノグラム以上17・1ナノグラム未満の「中グループ」(3917人)、17・1ナノグラム以上の「高グループ」(3944人)に3分類し、死亡リスクとの因果関係を分析した。

 その結果、「高グループ」はがんによる死亡リスクが「低グループ」と比べて1・75倍になり、心臓疾患による死亡リスクも1・65倍高かった。

 PFOSへの暴露による死者数は、全米で考えると99年から2015年の期間は年平均約38万2千人いたと推定した。一方、15年から18年には年平均約6万9千人に減少したと見積もった。論文はPFOSを巡る国際的な規制が進んだ結果、被ばく量が減ったことが要因だと考察している。

 一方、PFOSと並んで規制が進むPFOA(ピーフォア)に関しては「死因との間に重大な関連性は確認されなかった」としている。

 PFOSやPFOAに加えPFHS、PFDEなど合計7種の混合PFASの血中濃度も影響を調べた。その結果「高グループ」の死亡リスクは「低グループ」と比べ1・38倍だった。心臓疾患は1・58倍、がんが1・70倍に上った。

(島袋良太)