【比較表】経済、交通、財政に関する両候補の政策は?<那覇市長選 政策比較>上


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(左から)翁長雄治氏、知念覚氏

 那覇市長選に立候補した翁長雄治氏、知念覚氏の政策を本紙アンケートや取材を基に比較する。
 (’22那覇市長選取材班)

 県都那覇市の経済活性化は、県全体の振興も大きく左右する。新型コロナウイルス禍や物価高の影響を受ける市民生活、市内経済の再建も喫緊の課題となる。市長選に出馬する無所属新人で前県議の翁長雄治氏と無所属新人で前那覇市副市長の知念覚氏の両氏とも当面の影響に対する早急な生活、経済支援策を講じるとした上で、それぞれ独自の経済振興の道筋を掲げる。

 経済振興の手法について、翁長氏はコロナ禍からの回復の上でも観光産業の活性化が重要だとの見方を示した上で観光事業の多様化を掲げ、そのための人材育成を進めるとする。革新的アイデアで急成長する「スタートアップ」の創業支援も公約にする。

 知念氏は観光を中心とした魅力発信による投資の呼び込みを図るとして、都市機能が集積する強みを生かした都市型MICEの誘致促進を図るとする。市内企業の経営環境の強化に向けたDX化を支援する政策展開を図るとの考えを示す。

 慢性化する交通渋滞改善も、生活環境の向上や経済振興の面で大きな課題となる。両氏ともLRT導入の推進を図るとするほか、翁長氏は交通経路、交通手段、交通利用時間の分散などに取り組むとし、知念氏は拠点駐車場整備、シェアサイクル事業展開の支援などを掲げる。

 財源確保策について、翁長氏は子育て施策の重点展開による子育て世帯増で地域活性化を図り、税収増を図るとの基本方針を掲げる。

 知念氏は固定資産税の伸びを維持するための新たな土地創出やDX化推進による企業の付加価値向上などを進めるとした。

 政府から市町村に直接交付される沖縄振興特定事業推進費については翁長氏が「政権との関係で予算措置に差が付き、自立発展の妨げにならないか」との懸念を示す一方で、知念氏は「特定事業推進費を含め、あらゆる手段で財源を確保する。したたかな行政をする」と、両氏で評価が分かれた。