任用職員の76%が年収200万未満、回答者の9割が女性…沖縄「官製ワーキングプア」の実態 自治労連調査


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 自治労連県事務所は19日、県内5市の会計年度任用職員を対象にした実態調査の結果を発表した。勤続1年以上の職員の76・6%が年収200万円未満と回答し、2020年の制度導入後も処遇改善が進まず「自治体の足元から『官製ワーキングプア』を出している」と指摘した。

 会計年度任用職員は、自治体の非正規職員の処遇改善のため20年に新設された。調査は浦添、豊見城、名護、石垣、宮古島の5市の組合員を対象に今年6~8月に実施。回答数は220人(回答率36・6%)。

 回答者の9割が女性だった。1年以上の勤務者のうち、21年の年収は100万円未満が4%、100万~150万円未満36・6%、150万~200万円未満36%と、200万円未満が計76・6%を占めた。

 自治労連県事務所は15年にも、県内全自治体を対象に非正規職員へのアンケート調査を実施している。長尾健治委員長は「一時金は出るようになったが、年収では15年の賃金水準とほぼ変わっていないのが実情」と説明した。

 会計年度任用職員の制度は3年目に入っている。県内でも非公募の再度の任用は3年までとする自治体が多く、公募を口実にした雇い止めが懸念されるという。同事務所は今後、任用期限の上限撤廃などを求める署名活動や、相談窓口を開設し制度改善につなげる考え。 
 (當山幸都)