離島県のハンディ乗り越え育成 沖縄大の大城監督、涙ぐみ「夢の話」 県内大学初ドラフト指名


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仲地礼亜投手が中日から1位指名を受け、会見で涙ぐむ沖縄大の大城貴之監督(大城直也撮影)

 県内の大学野球関係者らは、離島県のハンディを乗り越え選手を育成してきた。初のドラフト指名に、沖縄大を30年間率いる大城貴之監督(51)は「沖縄の大学にとっても夢の話だ」と喜んだ。

 離島県のため、沖縄は他県よりも実戦経験が不足する。有望選手は県外に流れる傾向もある。1993年の大学4年時に学生監督を引き受けてから、ここまでチームや選手の育成に取り組んできた大城監督は過去にも2人の投手の志望届を見守ったがかなわなかった。

 「指名されることのハードルの高さ」を感じながら、仲地の育成に「責任を持って当たってきた」。1年生の時に沖縄電力との練習試合で初回に打者一巡、11人連続安打を浴びたこともあった。「やはり速いだけでは駄目だ」と地道に変化球の習得を支えた。

 大学からの支援もあり、仲地は「沖縄にいたからこそトレーニングで支えてもらいながら、いい環境で好きな野球を楽しめた」と言う。伸び伸びと野球に打ち込んだ結果、才能を開花させ夢を成し遂げた。
 (謝花史哲)