FC琉球、最終戦は白星 大分に1-0 今季21位で終了、来季へ土台整備が急務


社会
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 サッカー明治安田J2は今季最終戦となる第42節が23日、各地で行われた。FC琉球は沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアムで大分トリニータと戦い、1―0で競り勝った。ホーム戦勝利は7月30日以来で3勝目。前半11分、ケルヴィンからの右クロスを清武功暉が頭で合わせて先制した。後半は、あわや失点という場面もあったがDF陣を中心に猛攻に耐え、逃げ切った。

 今季通算成績は8勝21敗13分け、勝ち点37の21位でシーズンを終えた。2019年は14位、20年は16位、21年は9位だった。

(2)タピスタ(1勝1敗)
琉球8勝13分け21敗(37)
 1―0(1―0,0―0)
大分 17勝15分け10敗(66)
▽得点者 【琉】 清武(3)
▽観客 3349人

 【評】サポーターに久々の笑顔が戻った。前半、右クロスを清武功暉がきれいに頭で合わせて得点し、逃げ切った。今季を得点41、失点65で終えた。残留した20位群馬とは勝ち点差5。失点の多さを修正しきれず、負け試合が続いたのが、最終盤で大きく響いた。


 最終戦を勝利で飾ったが、J3降格圏の21位で終点を迎えた。チームを去るナチョ・フェルナンデス監督はサポーター、選手、スタッフに対し感謝の言葉を口にしつつ、「申し訳ない」と指揮官としての責任を率直に受け止めた。

FC琉球―大分トリニータ 前半、クロスを頭で合わせ得点する琉球の清武功暉(右)=23日、沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアム(ジャン松元撮影)

 岡﨑亮平主将は「僕たち選手も何をしたらいいか分からなくなった時期もあった。早い段階で修正できればよかったが、キャプテンとしてチームをまとめきれなかった」と心の内を吐露した。

 続けて「琉球がやってきた、つなぐサッカーで結果が出せず、新監督の下でスタイルが変わったのも事実。勝てないサッカーを変えることは必要で、監督は練習の時から細かいことを要求し、僕たちにぶつけてくれた。残留できなかったことを選手も真摯(しんし)に受け止め、一人一人の成長をチームの成長へとつなげていかないといけない」と声を振り絞った。

 従来のトップ下でなく、ボランチでの働きを求められた池田廉は「最初はとまどいや、うまくいかないこともあったが、徐々に良くなっていったと思う」と監督の要求に徹し、チームを鼓舞した。

 来季に向け、スタイル自体も変容したチームをどの方向性へと導くのか。早い段階での土台づくりが必須となる。

(大城三太)


責任を痛感している

 ナチョ・フェルナンデス監督(琉球)の話 監督として、目的(残留)を達成できなかったことに責任を痛感している。サポーターには申し訳ない。シーズンを通して内容で勝ってても結果が伴わない試合があった。全ての人がリスペクトの姿勢で接してくれたことに感謝したい。
 

1点が遠かった

 下平隆宏監督(大分)の話 自分たちのミスから失点し、取り返そうとしたが1点が遠かった。プレーオフを決めてからの2連敗で残念な結果になった。1、2点を返せる力の差はあったと思うし、引き分けを狙ったが、じれったい攻撃になってしまった。