遺骨やすずり、万年筆…海軍壕で数多く見つかる 非公開部分の発掘調査「供養できれば」 沖縄・豊見城


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旧海軍司令部壕の非公開部分の発掘作業に取り組むボランティアのメンバーら=26日、那覇市小禄

 遺骨収集に取り組む特定非営利活動法人空援隊は22日から30日まで、豊見城市の旧海軍司令部壕の非公開部分の発掘調査を実施している。26日時点で、遺骨や遺留品が続々と出てきている。大腿(だいたい)骨など形がはっきり残っている遺骨があったほか、歯ブラシやフォーク、すずり、万年筆、キセルなど数々の遺留品が見つかっている。

 旧海軍司令部壕は、1944年に掘られた司令部壕で、約4千人の日本兵が収容されていた。戦後7年がたった1952年から遺骨収集が始まった。数回にわたって作業し、1977年に収集は終了した。

 壕は全体で450メートルあり、現在公開されているのは300メートル。150メートルは非公開となっている。今回の作業には26日までにボランティアで延べ150人が参加している。

 倉田宇山専務理事は「ここまで出てくるとは思っていなかったので驚いた。(戦没者が)いまだに誰も探しに来てくれないと感じていると思うとたまらない」と話した。

 遺留品は旧海軍司令部壕で預かり、遺骨は県戦没者遺骨収集情報センターに持って行く。

 旧海軍司令部壕事業所の屋良朝治所長は「1日でも早く供養できればと思う」と話した。 (中村優希)

旧海軍司令部壕の非公開部分から出てきた遺留品