ヤギのうまさ、あふれる炒飯 くんくりやーがま(宮古島市)〈うちなー味まーい〉66


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ごろっとしたヤギ肉がたっぷり入った「やぎチャーハン」=24日、宮古島市上野新里の「くんくりやーがま」

 白いレンゲで熱々の米をほおばる。はふはふと熱気を逃しながらかみしめると、ぱらぱらの米にヤギ肉の肉汁が絡む。さっぱりとした後味に手が止まらず、無我夢中で完食した。

 宮古島市上野新里の「ヤギ料理専門店 くんくりやーがま」は今年4月にオープンしたばかり。宮古島市山羊生産流通組合の組合員が愛情たっぷりに育てたヤギを仕入れ、ヤギ汁はもちろんヤギステーキやヤギキーマカレー、ヤギタコライスなど肉の部位ごとにさまざまなメニューを考案し、提供している。

 経営するのは市内の建築会社だ。「宮古産ヤギをブランド化し、島の新たな名物にしたい」との熱い思いを胸に料理長の仲元康成さんや食品事業部部長の我那覇寿史さんらスタッフ一同、試行錯誤の日々を送る。

 ヤギチャーハンには新鮮なヤギ肉50グラムを使う。他の具材は卵とにんじん、青ネギ。優しい味付けがうれしいシンプルイズベストな仕上がり。セットのそばは、しっかりとしたかつおだしのスープにかみごたえある麺とパンチの効いた一品だ。さっぱりとしっかりの無限ループにレンゲと箸が縦横無尽に舞う。

 昼のランチ営業を終えると夜は居酒屋へと変貌する。夜の一番人気メニューはヤギすし。新鮮な肉を仕入れているからこそ提供できる一品だ。

 我那覇さんは「コンクリート屋が畑違いの飲食店に手を出したと思われるかもしれないが、ヤギの魅力を広めたい。生産を盛り上げたいとの思いは強い。ぜひ一度、食べに来てほしい」と笑顔で話した。

 昼の部午前11時半~午後2時、夜の部午後5時~同10時。火・水定休。宮古島市上野新里12の1。電話0980(79)0199。

(佐野真慈)

「ぜひ食べに来て」と呼び掛ける我那覇寿史さん(右)と仲元康成さん