那覇軍港のオスプレイ3機、飛行して普天間飛行場に移動の可能性 沖縄県は飛行しないよう要請


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
那覇軍港に駐機されたMV22オスプレイを整備する米兵ら=7日午前10時48分、那覇市(小川昌宏撮影)

 6日に米軍那覇港湾施設(那覇軍港)へ陸揚げされた米軍垂直離着陸輸送機MV22オスプレイ3機について、米軍普天間飛行場の航空機を運用する第1海兵航空団は7日、琉球新報の取材に対し、機体は今後、普天間飛行場に移動すると明らかにした。具体的な運用などは明らかにしていないが、同航空団は「航空機は定期的に那覇軍港から離陸、着陸する」と回答し、運び込まれた機体が那覇軍港を離陸し、普天間まで飛行して直接移動する可能性を示唆した。県は7日、沖縄防衛局に対し、オスプレイが飛行しないように米側へ働き掛けるよう、口頭で要請した。

 那覇軍港に運搬されたオスプレイ3機は7日、機体の周辺に人が集まり、エンジンをつけたり、整備したりする様子が確認された。3機のうち、2機は「VMM―161」、1機は「VMM―165」と記され、いずれも米カリフォルニア州ミラマー基地所属の部隊名で、3機は米本国から運ばれてきた可能性がある。

 普天間飛行場のオスプレイを巡り、米軍は6月に3機を那覇軍港から海外へ搬出した。今回運搬された機体は、6月に搬出された機体の代わりに普天間へ駐留するとみられる。

 第1海兵航空団は取材に対して「MV22航空機は、定期的に那覇軍港から沖縄に発着する。これは標準的な手順で、港の主目的と一致し、既存の協定に従っている」として、那覇軍港での航空機運用の正当性を強調した。普天間への具体的な移動については「セキュリティ要件により、詳細は話せない」とした。

 那覇軍港の航空機使用を巡り、県は沖縄の日本復帰時に米軍基地の使用目的などを定めた日米合意(5・15メモ)に沿っていないとして、一切実施しないように求めてきた。県は軍港に駐機するオスプレイが離陸した場合、日米へ抗議する方向で調整している。
 (池田哲平)