軽石で漁礁試作 リュウクス、バイオマス灰も活用


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ミキサーに軽石を投入する作業員=10日、うるま市池味漁港(提供)

 火力発電所で石炭を燃焼する際に生じる灰(フライアッシュ)の加工、販売を手掛けるリュウクス(うるま市、謝花一成代表)とレミックマルハチ(岐阜県)は10日、海岸に漂着した軽石や、うるま市のバイオマス発電所から副産物として発生するバイオマス燃焼灰を用いた人工漁礁を試作した。同様の取り組みは国内で初めてという。

 人工漁礁の重量の6~7割を軽石が占めており、製造時に二酸化炭素を排出するセメントの使用をできるだけ減らした。水やフライアッシュなどを混ぜ、軽石がコンクリートの中で浮かないように均一に打設する。

 軽石は畑の土壌改良材として使用されることもあるが、漂流していた軽石には塩分やゴミなどが含まれるため、扱いが難しかった。人工漁礁のコンクリートとして使用するには、小さなゴミなどはまとめてミキサーにかけられるため、分別の手間が要らないというメリットがある。

 使用する多孔質のコンクリート(ポーラスコンクリート)は表面に空隙があり、海藻などが漂着しやすい。陰となった部分が魚の住みかとなるほか、サンゴの定着も期待できるという。

 リュウクスの南出拓人技術営業部長は「環境に優しい素材で作った人工漁礁で魚やサンゴが育ち、環境改善につながれば良い」と話した。ビーチなどでの利用を想定し、今後ホテルや自治体からの需要があれば商品化も考えているという。

 人工漁礁は約1週間後に型から外し、その後うるま市の池味漁港付近の海に沈める予定。 (與那覇智早)