「70代でも出場したい」マスターズ・パワーリフティング全国Vの盛さん、挑戦に意欲 名護市長に優勝報告


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渡具知武豊名護市長(左)にパワーリフティング105キロ級で全国1位になったことを報告する盛龍也さん(中央)と妻のたかこさん=1日、名護市役所

 【名護】10月に栃木県で開かれたパワーリフティングの第39回全日本実業団選手権大会の男子マスターズ3 105キロ級で、1位に輝いた名護市辺野古の盛龍也さん(64)=龍盛道場=が1日、名護市役所に渡具知武豊市長を訪ね、快挙を報告した。盛さんは「70代でも出場したい」と挑戦に意欲を示した。

 トータル285キロ(スクワット100キロ、ベンチプレス65キロ、デッドリフト120キロ)をマークした。昨年2月に背骨付近の靱帯(じんたい)が硬くなって神経を圧迫する難病「胸椎黄色靱帯骨化症」と診断され、手術を経て3カ月間のリハビリに励んだ。昨年7月末には腰椎脊柱管狭窄(きょうさく)症になり11月に手術を受け、満足にトレーニングできない日々が続いた。

 手術は7回目だったという盛さんは「術後は30メートル歩くのに30分かかっていたが、リハビリに励み競技に戻ることができた。挑戦して記録を残すことができた」と振り返った。

 パワーリフティングを始めるきっかけは、久辺中学校時代から打ち込んできた柔道。宜野座高校時代に重量級で県大会優勝の経験もある。柔道の練習の一環でバーベルを始めた。

 柔道とパワーリフティングの二刀流で、日本ベテランズ国際柔道大会(日本マスターズ柔道大会)では2017~19年に3年連続3位に入賞した。来年1月に開催予定の第17回大会では「上を目指したい」と優勝を視野に入れる。

 パワーリフティングの全国優勝は13度目。刑務官を退職後、現在は古里の名護市辺野古に構える龍盛道場でバーベルを上げる。限界に達して高重量に押しつぶされそうになる盛さんを補助するのは妻たかこさん(64)だ。たかこさんは「60代でも挑戦し続ける姿を見せることで元気づけられる人たちがいたらうれしい」と応援する。報告を受けた渡具知市長は「健康やけがに気をつけてますます活躍することを期待している」とエールを送った。
 (松堂秀樹)

※注:男子マスターズ3の「3」はローマ数字