同世代に「戦争の悲しさ伝えたい」中学生の平和ガイド、戦争体験者のある証言がきっかけに


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マイクを握り、同世代に平和の礎について説明する賀数みりあさん(右)=10月28日、糸満市の平和祈念公園

 【糸満】糸満市平和ガイドで糸満中3年の賀数みりあさん(15)が10月28日、糸満市の三和中の3年生約60人に糸満市の平和祈念公園を案内し、同学年の生徒らに平和の礎などについて説明した。賀数さんは「戦争を知らない若い世代に命の尊さと戦争の悲しさを伝えたい」と願う。

 「世の中をよくするために何ができるかな」。賀数さんが学校で平和学習の授業を受けた際、教諭は学級全体にこう投げかけた。

 以前から沖縄戦に関心があった賀数さん。ある時、目にした戦争体験者のドキュメンタリーで「戦争の悲しさを忘れた時が一番怖い」と話していたことが、心に引っかかっていた。「若い世代に戦争のことを伝えるために何ができるだろう」。答えを探していた時、教室に掲示されていた糸満市平和ガイドの募集要項が目にとまった。

 10月28日は平和の礎の成り立ち、平和の火や「さざなみの池」などモニュメントが表す意味などを説明した。案内の最後で、同年代の生徒たちに「礎に自分のおじいちゃん、おばあちゃんの名前がないか見てほしい」と呼びかけた。「家族の名前探しをきっかけに、同年代でも沖縄戦を語り継ぐ人が増えてほしい」と願いを込めた。三和中3年の松田藍斗さん(15)は「同世代から説明を聞くことでたくさん考えさせられた。平和祈念公園は世界中の平和への思いが集まっていると感じた」と話した。

 同日は、豊見城南高1年で同じく平和ガイドの中原悠太さんも、三和中の3年生に白梅の塔を案内した。

(比嘉璃子)