復帰直後の沖縄〈50年前きょうの1面〉11月27日「盛大に復帰記念植樹祭」―琉球新報アーカイブから―


この記事を書いた人 Avatar photo 滝本 匠

 1972年5月15日に沖縄が日本に復帰してから今年で50年。27年間のアメリカ施政権下から脱して「祖国」の日本に戻るカウントダウンが進む中、本土との格差是正、自衛隊配備や米軍基地の取り扱い、ドル―円の通貨切り替え問題、初の知事選など、大きな歴史のうねりに翻弄される島の住民は山積する課題に直面する、そんな時代だった。復帰した後の沖縄の発展を展望しつつも、さまざまな制度変更にさらされる行政と政治。琉球新報の紙面もその歴史の一日一日を刻んでいった。

 

 日本「復帰」した1972年11月27日の琉球新報1面トップは、「盛大に復帰記念植樹祭/大戦犠牲者に報告/各県代表ら5千人/摩文仁につどう」との見出しで、糸満市の摩文仁丘で開催された複軌記念植樹祭の様子を大きく伝えている。同植樹祭は、若夏国体と海洋博とともに沖縄の復帰を記念して計画された3大事業のうちのひとつ。

 衆院選の中盤情勢を伝える記事では「投票率低下を懸念/後援会再点検、地盤拡大へ/衆院選」との見出しを掲げている。有権者の反応は低調ななか、8候補者らがそれぞれの地盤を踏まえてさらに支持を拡大させようと動いている様子を伝えている。

 ベトナム和平をめぐる動きでは、キッシンジャー米大統領補佐官が北ベトナム代表団らとの秘密交渉を伝える記事で「パリ秘密会談が中段/キ補佐官帰国/和平、さらに遅延へ」との見出しで経過を伝えている。さらに隣の記事では「米提案再修正協議か/キ補佐官、来月3日にパリ帰任」と展望も掲載している。

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 5月15日で復帰を迎えたが、沖縄を取り巻く状況は復帰して変わったこともあれば、変わっていないこともあった。琉球新報デジタルは、復帰を迎えた沖縄のその後の姿を琉球新報の紙面でどう記したか、引き続きお届けしていきます。