【識者談話】適性な飼育のために必要なことは?法規制や飼い主への啓発を 宮城直子氏(おきにゃあわんネットワーク理事長)


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おきにゃあわんネットワークの宮城直子理事長

 動物を「保護して終わり」ではなく、保護した後に動物が幸せに生きられる環境を整えることこそ最も大事だ。「保護しないと殺処分される、かわいそう」が先立った結果、キャパシティーを超えて劣悪な環境になるのは、保護の本質を取り違えている。

 「保護できないから殺処分していい」という議論ではない。犬も猫も人も同じ大事な命だ。適正な環境を整えられないなら、受け入れ先を探さないといけないが、探すのは極めて難しい。本島でも難しいので、離島はなおさらだろう。

 保護した人が1人で抱え込むのではなく、SNSで発信したり、動物愛護管理センター、動物愛護団体と連携したりすることが不可欠になる。全てが保護した人の責任ではない。特に猫の室内飼養は飼い主の責任だ。沖縄では猫は家の外で飼うものという古い意識が根強いと感じる。

 飼い主に対する普及啓発とともに、法的規制が必要だ。飼い主に不妊去勢手術などを義務化する、行政が継続的に管理する、多頭飼育についてはキャパシティーを踏まえた届け出制を導入するなどの条例を制定する必要がある。