オスプレイ「陸送困難」 那覇軍港使用 防衛局が市に回答「歩道橋の高さを超えるため」


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那覇市議会代表質問で答弁する知念覚市長=2日、市議会議場

 米軍の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイなどが海上輸送される際に那覇港湾施設(那覇軍港)に離着陸する問題で、オスプレイの陸路での搬送について「歩道橋の高さを超えるため困難」と沖縄防衛局が那覇市に回答したことが分かった。米海軍ホワイトビーチ(うるま市)は使用できないのかという質問には、「大型航空機の積み込みや荷下ろし機能を有していないと説明を受けている」と回答した。

 2日の市議会11月定例会代表質問で、屋比久猛義政策統括調整監らが平良識子氏(ニライ)、翁長俊英氏(公明)の質問に答弁した。市は11月22日に12項目の質問を沖縄防衛局に出し、29日に回答があったという。

 知念覚市長は議会答弁で、那覇軍港での米軍機離着陸について「那覇空港と市街地に近接することから基本的に容認できない」とした上で、「国や米側の主張にも耳を傾け現実的な対応策を見い出す必要がある。従前の抗議などの機械的な対応を踏襲しないという意味で、今後の対応を『白紙』と表現した」と自身の考え方を説明した。

 那覇市からの質問に沖縄防衛局は、飛来する際に米軍が事前連絡をしない理由について「作戦保全の必要性から事前の言及が困難との説明があった」と回答。那覇空港管制との事前調整をしているかという問いには「確認中」とした。米側に代案の提示などをしてほしいとの要望には否定的な姿勢を示した。

 市はさらに質問を出し、今後の対応を検討する予定。
 (伊佐尚記)