第1回大会から36回連続完走、76歳の木寺さん「走り続けたい」 コロナ禍でも練習重ね、自分なりの呼吸法を実践


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第1回大会から36回連続で完走した木寺辰己さん=4日、那覇市奥武山公園

 制限時間6時間15分まで残り5分を切った頃、那覇市識名から参加した木寺辰己さん(76)がゴールし、36回連続の完走を果たした。6時間13分31秒の記録は「今までで一番悪い成績」と悔しさもにじませる。「完走するぞ」と自分に言い聞かせ、これまで身につけてきた自分なりの呼吸法を実践。目標タイムには及ばなかったが、見事走りきった。

 コロナ禍で大会が開催されなかった3年間も、4時間半を目標に練習を重ねてきた。当日の湿度の高さに体力を奪われ、30キロ地点からきつくなってきたが、応援に駆け付けた子や孫ら7人の声援が励みになった。

 30代半ばからマラソンを始めた。識名地域の走ろう会に家族で参加したのがきっかけだ。「自分なりに何かをやり遂げたい」という気持ちで毎年フルマラソンに挑戦し、翌日が仕事でも休むことなく続けてきた。

 仕事を引退してからは、孫たちを学校に送り出した朝8時頃から、ほぼ毎日7~8キロは走っているという。「押しつけはしないが、何事も頑張ってやることが大切だ」と話し、子や孫たちにも継続して物事に取り組む姿を見せている。

 今後は、無理はしすぎず制限時間内に完走することを目標に、「走り続けたい」と意気込んだ。
 (中村優希)