南西防衛強化で防衛相「力による現状変更を許容しない」 中国念頭に


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浜田防衛相(資料写真)

 【東京】浜田靖一防衛相は6日の閣議後会見で、陸上自衛隊那覇駐屯地に拠点を置く第15旅団の増強を念頭にした南西地域での防衛力強化について、「力による現状変更を許容しないというわが国の意思を示し、島しょ部への攻撃に対する抑止力、対処力を高める」との認識を示した。軍事的な台頭を強める中国と台湾での有事への警戒感を示唆した。

 陸自第15旅団を巡っては、現在一つの普通科連隊を二つに増やし、部隊トップの階級を陸将補から陸将に格上げする案が検討されている。

 会見で防衛省内での調整状況を問われた浜田氏は「南西地域の防衛体制の強化については、年末の新たな国家安全保障戦略の策定に向けて検討を進めている」と説明。具体的な調整内容については「差し控えたい」と述べるにとどめた一方で、「部隊配備によって大規模災害や国民保護における対応の迅速化につながる」との見解も示した。
 

 一方、玉城デニー知事が5日に「自衛隊を防衛力という名目で強化するのであれば、その分米軍の負担の比重を軽くするべきだ」と負担軽減を求めた点については、「(米軍基地は)わが国の平和と安全を確保する上で必要だ」と指摘。基地負担の軽減は「政府の大きな責任だと考えている」としながらも、具体的な取り組みについては「日米間で合意されている嘉手納以南の土地の返還や海兵隊のグアム移転などについて、可能な限り早い実現に全力で取り組んでいく」とだけ述べた。

(安里洋輔)