旧盆休みに犯行、発見を遅らせる計画か 「おでん東大」店主殺害容疑の娘夫婦 ネットで「完全犯罪」の情報収集 


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殺害された女性は営んでいた人気飲食店「おでん東大」=6日、那覇市安里

 那覇市安里の通称・栄町の人気飲食店「おでん東大」の女性店主(58)=浦添市=が殺害された事件で、沖縄県警は6日、殺人容疑で娘(34)=宜野湾市=と、その夫(34)=同=を逮捕した。2人は犯行前から、店主の自殺を装い殺害する計画を立てていたとみられ、インターネットなどで「完全犯罪」などの情報を収集していたことが同日、関係者への取材で分かった。

 関係者によると、女性店主は数千万円に上る資産を保有していたとみられ、2人はたびたび、女性店主から資金援助を受けていた。店主の死に不可解な点が多く、同店の関係者間では当初から、金目当ての犯行とうわさされていた。

 2人は店の旧盆休みの期間中に店主の殺害を企て、窒息による自殺と偽装した上で、発見を遅らせる計画だったとみられる。ネットなどで完全犯罪に関する情報を集めていたほか、犯罪心理や被害者心情などを事前に調べていた。

 店主の遺体が発見された店の2階にある倉庫は、かつて、娘がバーを営んでいたほか、夫が画廊などのイベントスペースとして利用する予定だった経緯もあり、現場に夫婦は頻繁に出入りしていたという。夫は2017年5月に宜野湾市真栄原でギャラリーを開設するなど、夫婦ともにアートに関連する活動に携わっていた。

 逮捕前の県警の調べに対し、ともに店主の殺害を否認していたという。