米軍のパラシュート降下訓練に抗議表明せず うるま市議会、決議や意見書の提出なし


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うるま市役所(資料写真)

 【うるま】12月定例会が開かれている沖縄県うるま市議会の基地対策特別委員会(藏根武委員長)は8日、津堅島訓練場水域で7日に行われた米軍パラシュート降下訓練に対する抗議の意思表明を見送ることを決めた。これまでは同訓練が実施された際に市議会で訓練の中止を求める抗議決議と意見書を可決してきたが、今年は4月の臨時会を最後に決議・意見書は提出されていない。

 抗議決議を見送った理由について藏根委員長は「改選して新人議員が多い中、これまでの文言のままでは提出できないとなった」と話した。これに対し伊盛サチ子委員ら3人の市議は抗議決議を出すべきだと主張したが、議論は平行線のまま委員会としての一致を見ずに終わった。

 津堅島訓練場水域でのパラシュート訓練を巡っては、在沖米軍基地の使用目的などを定めた日米間の合意文書「5・15メモ」に同訓練が明記されていないことなどから、市議会として訓練中止を求める立場をとってきた。一方で、5月末に委員会で現地視察した際、訓練は目視できなかったものの、保守系の与党市議から「危険性は見当たらなかった」などの意見が出ていた。

(古川峻)