沖縄の「国民保護」明記 政府の国家防衛戦略 16日にも閣議決定


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防衛省(資料写真)

 政府が、16日にも閣議決定する「国家防衛戦略」に、三つの防衛目標を定める方針を固めたことが新たに分かった。力による一方的な現状変更を許容せず、日本への侵攻に責任を持って対処し、阻止・排除すると宣言。達成時期を2027年と明示する。中国を意識した記述とみられる。23年度から5年間の防衛力強化を巡る事業費の内訳も判明。戦闘継続能力(継戦能力)向上に向けた弾薬取得費を現行計画の約1兆円から約2兆円へ倍増させる。政府筋が10日、明らかにした。

 自民、公明両党は10日、同戦略を含む3文書の内容について協議を実施。中国の動向を含めて調整を続ける。12日にも合意する見通しだ。

 目標は「わが国の防衛の基本方針」の項目に記載。(1)力による一方的な現状変更を許容しない安保環境を創出(2)力による一方的な現状変更やその試みを同盟国や同志国と協力して抑止(3)わが国への侵攻に主たる責任をもって対処し、同盟国の支援を受けつつ阻止・排除―と詳述した。

 同戦略では、国内の先端技術を防衛装備品開発に転用するための研究機関を防衛省に創設すると明記。防衛力整備計画には、他国の脅威圏で情報収集する無人機を航空自衛隊に導入し、作戦情報団(仮称)を新編すると盛り込む。台湾有事を念頭に「陸上自衛隊は、沖縄での国民保護をも目的に、部隊強化を含む体制を強化」と書き込んだ。

(共同通信)