海底の軽石を特殊ポンプで除去! 海産物への影響回避へ、仲尾次漁港で実証実験 沖縄・名護


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特殊ポンプで海底からくみ上げた軽石を含んだ土砂を貯水槽に放出する実証実験=11月28日、名護市の仲尾次漁港

 【名護】河川環境整備協会と羽地漁業協同組合はこのほど、沖縄県名護市の仲尾次漁港で海底に沈んでいる軽石を特殊なポンプで回収する実証実験を開始した。

 ポンプで水深5メートルほどの海底から海水をくみ上げると、貯水槽には1ミリ以下の細かな軽石が集まった。ポンプは1分間で約10トンの土砂を吸い上げる能力があり、深さ約100メートルまで対応可能だという。

 羽地漁協によると、2021年に軽石が同漁港周辺に大量に押し寄せ、養殖のアーサやモズクなどに付着。商品化できなくなる影響が出たという。

 同協会の管野良平理事長は今も海底に沈む軽石が波の影響で移動することを指摘。海産物に影響を出さないようにするため、早期回収を目指す。「実験で成果を上げたい。きれいな沖縄の海を取り戻すため今後も協力する」と意気込んだ。
 (長嶺晃太朗)