【独自】米軍の火薬庫を自衛隊が共同使用へ 安保関連3文書の全容判明 沖縄は「安全保障上極めて重要」


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防衛省(資料写真)

 外交・安全保障政策の指針「国家安全保障戦略」など安全保障関連3文書案の全容が13日、複数の政府関係者への取材で分かった。中国の軍事的台頭を念頭に、「日米防衛協力の強化」を打ち出し、沖縄を含む南西諸島での米軍との連携方針を明確にした。「防衛力整備計画」では、那覇市に拠点を置く陸上自衛隊第15旅団について、南西諸島の防衛のためとして「師団」に格上げすることを明記した。施設整備に関しては「米軍の火薬庫の共同使用」も盛り込んだ。「国家防衛戦略」では、沖縄について「安全保障上極めて重要」と位置づけ、米軍普天間飛行場の移設推進を明記した。

 「防衛力整備計画」では計画方針に、2027年度までに「我が国への侵攻」を受けた場合の対処として、「同盟国等の支援を受けつつ、これを阻止・排除できるように防衛力を強化する」とした。具体的な防衛力整備として「スタンド・オフ防衛能力」と「統合防空ミサイル防衛能力」の強化などを挙げた。

 陸自の強化では「南西地域における防衛体制の強化」として、第15旅団の師団改編を明記した。普通科(歩兵)連隊を現行の一つから二つに増やす。

 「スタンド・オフ防衛能力」の強化として、島嶼防衛用高速滑空弾や極超音速誘導弾を装備した「長射程誘導弾部隊」を新設するとした。

 「領域横断作戦能力」の強化として、「対空電子戦部隊」を新編し、「島しょ部の電子戦部隊」を強化するとした。

 「国家安全保障戦略」では、「海洋安全保障の推進」を打ち出し、尖閣諸島周辺での警備強化を盛り込んだ。

 「国家防衛戦略」では、防衛体制について日米同盟を基軸とする方針を示した上で、「日米両国がそれぞれの戦略を擦り合わせ、防衛協力を統合的に進めていく」とした。また、自衛隊と在日米軍の「シームレスかつ効果的」な活動のために、「在日米軍の役割に関する積極的な広報」を行うとした。「日米共同による宇宙・サイバー・電磁波を含む領域横断作戦」を実施するための取り組みを深めるとも明記した。