PFOSの血中濃度、大宜味では全国調査と比べ1.48倍 市民団体が報告会


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住民の血中のPFAS濃度検査結果について報告する伊波義安さん=7日夜、大宜味村の旧大宜味小学校

 【大宜味】「有機フッ素化合物(PFAS)から市民の生命を守る連絡会」は7日、沖縄県大宜味村の旧大宜味小学校でPFASの学習会と、同会による住民の血中濃度検査の報告会を開催した。被験者ら20人余りが参加し、熱心に質疑を交わした。

 報告会は同会が6~7月に検査した6市町村で順次開催している。県内では米軍基地周辺でPFASが検出されており、基地がない大宜味村は比較対象地域として実施された。村内被験者58人の平均値は他5市町を下回るものの、環境省による2021年の全国調査と比べPFHxSで1・7倍、PFOSで1・48倍の値が検出された。

 学習会では連絡会の伊波義安共同代表が、米疾病予防対策センターの調査結果を基にPFOSの血中濃度が高いと死亡リスクが高まることなどを説明。今回の検査結果について、60歳以上で年齢が高くなるほど濃度も高まることも報告した。

 全国平均を上回る値が検出された要因について伊波さんは、被験者個々に過去に米軍基地近くに居住した際や、食べ物を通じてPFASを摂取した可能性を挙げた。「(PFASに水が汚染された地域の)浄水場や下水処理場から出た汚泥が農業利用されているとみられる。影響を調べる必要がある」とも言及した。

(岩切美穂)